さつまいも

Hatake 広くて高い秋の空のもと、 青々とした葉が繁るさつまいも畑。がっしりした背中をちょっとかがめながら、丁寧に手早く福田さんが芋を掘り出す。鮮やかな赤紫できめ細かい肌の「紅あずま」と「紅いも」が現れた。鎌倉では食用の主流。そのつややかさを見て福田さんの顔から笑みがこぼれた。今年の出来も良いらしい。Fukuda

今年3月、この紅あずまを原料とする焼酎「吾妻鏡」が生まれた。鎌倉酒販組合が鎌倉の特産品として昨年企画し、関谷の農家・福田さんと盛田 さんが芋の生産を引き受けて昨秋4トンを出荷した。鹿児島の酒造会社で焼酎用に仕込まれて4カ月後に「吾妻鏡」として鎌倉で売り出されると、生産された4000本はすぐに完売した。

Satumaimos   今年、福田さんは生産増をめざして昨年までの休耕畑も利用した。関東ロウム層の良質な土を芋用に手入れし、フェロモントラップ(雌のフェロモンを利用し害虫を捕獲する罠)などで農薬を減らし、手ごわい雑草と戦い、大切にさつまいもを育てた。一部直売所でも販売するが、ほとんどが「吾妻鏡」になる。今度は来年4 月ごろ5000本の販売予定。鎌倉時代の歴史書から命名されたこの焼酎は、上質に洗練された味でほのかに福田さんの芋の香りがした。Ryori2

吾妻鏡」に関するお問い合わせは鎌倉酒販共同組合(0467-22-4556 11:00~16:00)へ。

吾妻鏡とカナッペ
イモ焼酎に合うさつまいも料理。左からフライパンで焼いた紅あずまの台にカマンベールチーズと塩辛、 紅いもの台にタラモと紅いものマッシュ、紅あずまの台にさつまいもの茎のきんぴら