鎌倉の野菜のほとんどは、仲卸を通すことなく消費者に直接売られる。
鎌倉市農協連即売所は下馬交差点近くにあり、歴史ある大きな直売所。鎌倉市と一部横浜市の農家約30軒が加入して、建物内の6~7店のブースで日替わりで自家製のやさい、果物、花などを販売する。地域の人やレストランのシェフなどが、飾りっ気なく置かれた野菜を求めて訪れ、けっこうな活気。大きな直売所のほかに、農家の軒先で無人で売られているものもある。野菜の隣に置かれた筒や箱に料金を入れて買う、野菜スタンド。(もちろん有人のスタンドも。)いずれも生産者のみなさんが直接売っているので、安くて新鮮、なにより安心。
一つのブースやスタンドがいわば一軒の八百屋さん。だからたくさんの種類を少しづつ置く必要がある。こうして鎌倉の畑では少量多品目の野菜たちが育てられる。一区画の畑の2~3畝がピーナッツで、次の2~3畝がキュウリで、次がナスで…という調子。いろんな種類が同時に育つ畑を、誰が呼んだか「七色畑」。確かに、ほかの耕作地では考えられないほど多種類の野菜たちにここでは出会えるのだ。
直売では、知らない野菜を紹介してもらったり、農家の人に料理の仕方を教わったり、生産の苦労話や植物を扱うコツを教えてもらったり。消費者と生産者の「顔の見える」お付き合いがある。生産から販売までを一貫して行うのは効率がいいわけではないと思うが、ほとんどの農家の人たちがこの鎌倉スタイル。「僕たちは味の好みや使い方など、たくさんのことをお客さんから教えてもらう。だから顔が見えないと不安なんだ」と言う。
丹精込めた作られた野菜たちを直接渡してもらう。安心でおいしくて、贅沢。「ありがとう」と思いつつ…あ、今日も買いすぎちゃった(^ ^;)
鎌倉市農協連即売所(鎌倉市小町1-13-10 お問い合わせ:JAさがみ44-3851)