畑に緑がようやく戻り、収穫の季節がやってきた。ここから寒さを迎えて、甘味の増した野菜が次々に市場に出てくる。新しい野菜、馴染みの野菜が収穫されるたびにわくわくしちゃう。やっぱり初秋の不作の期間は、スーパーに行っても、レンバイに行ってもさびしかったものね。
福田さんの畑では、秋の日差しが柔らかく回り込む緑の中、お父さんと息子さんがオータムポエムを収穫している。ロマンチックな名前だが、くせのないアスパラのような味。花は菜の花のように可憐だ。この繊細な野菜をお父さんたちが、丁寧に丁寧に摘み取っている。
隣の畑をニンジンの葉っぱがおおってる。夏場はニンジンに泣いた農家が多かった。猛暑少雨で芽が出なかったり、腐ってしまったり。8月に植えたニンジンは今頃一人前になっていなければならないのに、今だベビーのように小さい。9月の終わりから今まで、鎌倉ではニンジンが品薄だった。でもようやくここまで育つと「ベビーキャロット」として出荷される。柔らかくて茎まで食べられておいしいんだな、これも。あと少しで一人前の大きさになりそう。数日後にはりっぱな「ニンジン」として出荷。逆光の畑にせいいぱっいひろがる葉っぱたちが、ガンバって育ってるんだよ、と語りかけているようだ。
今収穫されつつある多くのものはカブたち。こんなにたくさんの種類があったのか…と感激してしまう。それぞれに金時とか紅丸とか、それってカブのこと?と疑いたくなるような名前が付いている。煮物でもおいしいけど、この繊細な色と甘味は生で楽しみたい。紫とグリーンの不思議な形はコールラビ↓。これもカブの一種。キャベツとの掛け合わせなのだそうだ。なんだか、いつかSF漫画で見た宇宙ステーションみたいな不思議な形。きっと宇宙的なスケールの大きな味なんじゃないのかしら?
ここから農家は次々に実る野菜の収穫で、繁忙期を迎える。
畑も輝く季節の到来だ!